I♡MIU404サントラ その2

サントラ感想その2です。
vol.2の配信から4ヶ月経ってますが気にしないよ!!!!だってメロンパン号もまだ日本全国走り回ってるもんね!!!!
今回はvol.2の全17曲の感想を書きました。前回の感想その1で書ききれなかったvol.1の7曲に関しては、感想その1.5という形で別記事にまとめましたのでよろしければあわせてお読みください(こちらはライトな分量になっていると思います笑)↓
hakaishin.hatenablog.com


マチュアバス弾きのゆるっとした感想です!ゆるっとどうぞ〜

◇志摩一未 intro pizzicato ver.

この曲、一応アレンジ枠なのに1話からしれっと流れてて笑う。志摩がドラレコの存在に気づくシーン、最初はオリジナルのarcoの方が流れててそのまま何事もなくpizzの方に接続されてるんですよ(もしくはpizz ver.のarcoパートのバックのベースを抜いて順番入れ替えて使ってるのかも)
この後の話でもほぼ毎回登場するレギュラー曲。pizzの機動力がハンパなくて好き♡ ドレミッファッドッシッとかスーパー粒がはっきりしてて惚れます。


◇志摩一未 funk ver.

funk ver.って何???wwwwwwwwwww(聴く前)
お前か───ッッッッッッッッ(聴いた後)

7話、ジュリさんの服に付いた猫の毛から関係を洗い出そうとするシーンで流れてるやつだ。ここでいう「funk」は音楽のジャンルとしてのファンクってことでいいんですかね。全然詳しくないんですが何曲かファンク聴いた後にこの曲流したら「あ〜なるほどね……?」という感じになりました。ギターとバキバキのサックスの絡みとか1拍目に音がちゃんとあるところがポイントなのかなぁ。詳しい方いたら解説してほしい〜笑
このバージョンはわざと失礼な物言いして相手を感情的にさせて情報引き出すとかノリノリでブイブイ煽ってくる志摩……という印象。「あっれえ……おっかしいなあぁ……確かさっきはヨユーで捕まえるとかwwなんとかw、ゆっwwwてましたけどwwwwwwwww」とかナチュラルに繰り出してくるじゃないですかあの人。そういう部分出してくる曲だな〜と。楽しそうでいいね。


◇志摩一未 初期ver.

このvol.2の中である意味一番やばい。

最初はこのままボディパーカッションだけで終わるのか?と思ったら別ver.のメロディが乗ってきた。やはり頭の良さがうかがえるようなラインでニヤける。でもね……この志摩はどこかとっつきにくいし情が見えないんですよね……1話で伊吹に放った「行きますよ」のあのすかした感じがずっと続いているような。1'31〜ギターが入ってくるけどそれまでは打ち込みの音なのもあって文字通り「デジタル」な印象。もはや微笑ましくもあるこの「わかる奴だけわかれば結構、ついて来れない奴はここでさよなら」みたいな尖り方。ギターもコミカルというより聞き込みの時に発揮する刑事としての営業用社交性って感じで。絶対「刑事としては優秀なんだけどねぇ」って陰で言われてるやつだと思う。さてはお前、捜一時代の志摩だな??
というのを考えた後にお馴染みの『志摩一未』を聴いてみてくださいよ。人間くせえ〜〜〜〜〜〜!!!!って叫んで泣いちゃった。これよ……これが私たちの知る志摩一未だよ……あのストリングスが入ることで温度が上がって感情が滲んで見えるんですよすっげ〜〜〜〜〜ア〜〜〜〜〜〜〜

副題の「初期」というのは楽曲の制作段階の話だと思うんですが、志摩一未という人間の変化ともリンクしているのが大変痺れますね。ボディパーカッションは初期ver.からほぼ完成形で入ってきているので、これは志摩という人間のベース・変わらないものと考えていいのかなと思います。過去の自分の言葉を借りると「状況判断が早く瞬時にプランを組み換える頭の出来とかクソ多い対人アプローチの引き出しとか伊吹に言わせると『むじぃ』こと考えがちな性質」ですね。
そして変化の部分。これじゃ今の志摩一未を表現するには不十分だ!となって新たに加わったのが"あの"ストリングスなの、あまりにもあまりにもすぎる。そして足されたのは何か。人間らしさですよ。ウッ……
DC版最終話で志摩は「俺は他人のことなんかどうだっていいんだ本当は。心配するふりして善人のふりして人間らしく見えるように振る舞ってるだけ」と言ったけど、それってそう在ろうとして努力しなければ成し得ないことで。他人がどうなろうと知ったことではないと見ないふりをして相棒を殺してしまった志摩は、贖罪の意識も抱えながら己の生き方を変えたんだと思うんですよね。野木さんに「捜一時代の志摩もひどかった」と言われる(Nogi
Note8話)ほどの振る舞いをしていたところから、様々な努力を積み重ねて今の志摩一未になった。相棒として伊吹に向ける顔は全部過去の自分を反面教師にし二度と過ちを繰り返さないという覚悟によって作られたものなんですよ。メロンパンの価格設定みたいなくだらない話にちゃんと付き合うのも、休みの日にかかってくる世界一意味のない電話に律儀に出るのもそういうことなんです。やばい、志摩一未へのクソデカ感情が止まらない。
上記の夢の中でのセリフは自分の作り出した虚像とはいえ久住へ向けられた言葉なので、ああいう「別に自分はいい奴なんかじゃないんだぜ」って物言いになったんでしょう。でもね、本当に自分だけが可愛い人は他人のために己の命を天秤にかけるような職業は選ばないのよ志摩ちゃん……なので、もしかしたら他人に情を注がないみたいなスタンスは捜一という過酷な環境に身を置いていたが故に形成された部分もあるんじゃないかという気はしています。人格って環境によって変わるもんね。免許試験場や奥多摩で過ごしながら、失っていた情を取り戻していったのかもしれない。
そうやって志摩が後天的に獲得した社会性や彼曰く人間らしく見えるような振る舞いというものを、『志摩一未』を『志摩一未』たらしめるエッセンスとなったストリングスに見出せるの凄まじくないですか?冗談じゃないよ。そんでもって我々がどういう部分に志摩一未を感じているのかということもわかってしまった。初期ver.の存在、おっそろしいマジで。

シナリオブックを参考に楽曲の変遷を推測すると、「塚原さん曰く『4機捜』では使えるが志摩の曲ではない、得田さん的にはクールな志摩を目指したジャズフィールな曲(デモ)」→ボディパーカッション含む楽器やイメージなどのアイデア→『志摩一未
初期ver.』→『志摩一未』『志摩一未 intro pizzicato ver.』『志摩一未 funk
ver.』という感じでしょうか。志摩のメロウな部分がまだ描かれていない1話の脚本だけを読んで作られた(故に志摩というキャラの持つ複雑さが表現し切れていない)曲というのは上記のどこにあたるんでしょうね。気になる。デモから『志摩一未』までの間に作られたやつ全部聴かせて、、、
その後いろいろ擦り合わせがあったにしても「のちのちメロウになるから、志摩一未は」だけであの『志摩一未』に辿り着くのハンパねえっすよ。しかも星野志摩との解釈のズレみたいなのも感じなくて。脚本上の志摩と比べて星野志摩の方がなんかこう……柄が悪かったり血が熱かったりウエットだったりするじゃないですか。そこに違和感なくフィットしてくるというか、あの芝居見て作ったんですか?と思うようなクロッシング具合なんですよね。あの脚本からあの志摩を生む源さんもヤバ……という感じですし凄い人しかおらんもう。

あと感動したのが、『志摩一未』の一番最後に登場するギターが初期ver.の名残であると判明したこと!途中一切出てこないのにラスト一音で突然出てくるから何なんだろうって思ってたんですよ。そうかそういうことだったのね……とめちゃくちゃ腑に落ちました。あの余韻で曲が終わるのいいよね、、、テクノ系サウンドが入ってるのも初期ver.から引き継がれたのだと思うと大変良い。


◇MIU404 cello melody ver.

どこがチェロに?!と思ったら1'12〜のイーリアンパイプスのところでした。2'24〜のところはそのままなのね。チェロの方が優雅で大人しく収まってる印象。個人的にはやっぱり弦=志摩、イーリアンパイプス=伊吹だと思っているので、オリジナルの方が二人で走ってる感じがして好きではありますね。しかしあの滑らかなスラーはいいな……音の抜き方も心地良い……もはやチェロという楽器そのものがずるい…………(チェロずるいしか言わないブログ)


◇安全に留意して対応してください

キタ━(゚∀゚)━!
これは勝手に「加々見のテーマ」と命名してた曲なんですが、よく聴いたら後のエピソードでも登場してたので撤回!!!!

テーマを弾くピアノがわずかにエフェクトかかったような音で不安。0'41〜テレレレレレレレテレレレレレレレという上昇音形がずっと繰り返されるのも気持ち悪いですよね。1'19〜伴奏のリズムが細かくなってより切迫感が。プワァーーーーーーンみたいな音が通り過ぎちゃいけないところを通り過ぎてしまってる感を出してきて非常に嫌。あとカンカン……!カランカラン……!みたいな工事現場的なやつ怖い。1'31〜の中低弦の刻みに1'42〜ヴァイオリンがタリラリラリラリラリラリラリラリって迫っては引いて迫って引いてするのやめて〜〜てか1'50で一回切り返しますよね……?タリラ"タリラリラ"って。
何だろ〜気になる。一度気づくと絶対そこ意識してしまう。1'54〜一緒に刻んで追い立てて来るのも怖し。

2話では加々見の心象風景そのままでヒ〜なりますね。加々見を犯人と仮定しとりあえずひたすら走っていた田辺夫妻・404・視聴者が「もしかして犯人は岸……?」とぐらつくシーンでもある。
あと8話。8話ですよ。伊吹宅にやってきた志摩が、気づかないふりをしている伊吹を丁寧に容赦なく詰めていくシーンの曲がこれ。ヒ〜〜〜。伊吹は脳に入ってきた情報の言語化と論理立てた説明ができないだけでお前が言うところの「勘」にはある程度の根拠があり信憑性が認められますって分析した後に「お前の勘は、いま何を感じてる?」ですよ。客観的事実や証拠を重ねて、これでも気づかないふりを続けるのか?と揺さぶる。逃げ場の潰し方が上手すぎるだろ。イヤ〜〜〜〜
曲による緊迫感の増幅がたまんないですよね〜〜〜こんなに心臓に悪いぶち切り方もなかなか。何度でも思うが二人とも演技がうめえな……………………


◇帰ってこなかったらどうしよう marimba melody ver.

沁みる。
本当に収録してくれて嬉しい。いやマジでめっちゃいいアレンジ。マリンバっていうのが最高なんよ……あの深く包み込むまあるい響きの音、特に低音やばいよね……真面目に左手の分散和音だけでも永遠に聴いていられる。0'17や0'44あたりの装飾がつく音好き(これはオリジナルの方も好きだったか……笑)
聴き比べるとオリジナルのピアノをきれいにそっくりマリンバに置き換えた感じですかね。コーラスやストリングスは同じ。構成を変えずに楽器チェンジするだけでこんなにも違う曲になるんですね〜
って思ってたんですがのっぴきならない事態が発生しました。
ラスト(2'50〜)の跳躍を繰り返すところ、オリジナルとmarimba melody ver.で音が違う。えっマジでって感じじゃないですか????マジで??これはブログ書き終わるまで黙っていられないと思い速攻でツイッター開いて呟きました、笑
フォロワーさんの意見も参考にじっくり聴き比べた結果、オリジナルはファ♯とシの跳躍なのに対してマリンバの方はミのオクターブで跳躍してますね〜〜〜何なんだよ〜〜〜〜〜意識して聴くと印象が変わるので是非この部分だけでも聴き比べてみてください!!!!!!!!やってくれるな得田さん!!!!
本当は「ラストの跳躍はピアノもいいけどマリンバは何か本職感あるよね」みたいなことを書こうとしてそこだけ並べて聴いたんですよね。いやーーー思わぬ発見でした。

登場するのは5話のマイちゃんが日本を嫌いになりたくなかったと涙をこぼすシーン、あと9話のハムちゃんがみんな表ならいいのにねと呟くシーン。ここで凄いのが、同じ曲なのに使われるシーンによって全然雰囲気が変わるところ。前回の『初動捜査』の感想では「使う曲によってシーンの重みが変わる」というようなことを書きましたが、その逆もありますよね。5話はこの曲の持つ遣る瀬無さや罪の意識のイメージを増幅させ、9話は切なさやマリンバの柔らかい熱を増幅させた。その結果、同じ曲が違うように聴こえる、という。もとの曲にいろんな要素が入っているからこそこういう使い方もできるんだろうな……苦しくなるシーンでも温かさを感じるシーンでも使えるって凄い。


◇手分けして捜査だ

知ってるぞこの曲は〜〜〜!3話でドーナツEPについて元4機捜分駐所で話してる時のやつですね。今思うと分駐所にしては部屋狭いな。

0'22〜耳の奥にぼわ〜んと広がるベースが好き。0'34〜メロディを抑えて存在感を放ってくるビブラート満載のロングトーン、音の太さ的にチェロですかね……?バックのベースの動きとチキチキ刻んでるシンバルが小気味良くて最高。これめちゃくちゃかっこよくない?!??!!痺れる……
突然のワープタイム(1'17〜)
急に宇宙空間に飛ばされてビビる。
1'27〜ワープから復活する前のブゥゥ……ンってやついいよね!!!!復活してからベースとシンバルのリズムがまた最高になってて爆発。カッケェ〜〜〜!!!!
1'50〜また凄い存在感で入ってくるこの人は誰?チャルメラみたいな音だけど打ち込みかなぁ。よくわからんけど好きだ。あと下で支えてるチェロね!!豊かな低音。ひりつくような高音もいいけどやっぱり下の音が良いんですよ。最後の和声、弦が消えた後も残ってるやつ、何か宇宙的で面白い。


◇警視庁から各局 inst ver.

inst ver. とは?となりつつ聴いたらコーラス抜きということでした。シングルについてくるoff vocal(伴奏オンリー)のやつみたいな。コーラスないと全ッ然物足りないですね。あの威力は凄いや……やっぱり楽器の音と人の声は全く違う性質があるな……と思っていたら、2周目のサビ(3'34〜)はメイン以外のコーラスは聴こえるんですよね。本当にoff
vocalっぽい。
そして私はここで初めて「『警視庁から各局』は1周目のサビはメインコーラスのみで2回目のサビでバックコーラスが加わって厚みが増す」ということを認識しました。これ前回言及してないです何故なら認識していなかったので……!!マジか〜〜マジか〜〜〜〜!!!!今聴くと明らかに違うんですが気づいていない時は本当に"聴こえていない"んだな、、、これに気づくきっかけになったのでinst
ver.万歳です。ありがとうございます。
このコーラスはKOCHOさん一人で8人分くらい歌ったものを重ねているとのことでびっくりでした(シナリオブック対談にて)


◇さすが相棒!

はじめまして〜〜〜〜!!!!!!!!
マジで知らん曲きた。これもしかして当初の予定通り14話で作ってたらお目にかかれた(お耳にかかれた?)かもしれないやつですかね?くそコロナめ。
ギターのアコースティックな感じと電子のぺろーんな感じの融合が和みますね。これアンナチュラル2話でミコトと六郎が足湯に浸かってるシーンのサントラと差し替えても違和感ない、笑
スーパーの野菜売ってるコーナーで流れてそうな感じもある。ほっとほっとできる箸休め的な息抜き的な曲。


◇頭の中の藻屑

ダウンロードしてタイトル見て絶対あの曲じゃんってなった。案の定あの曲でした。

ピアノーー!!!!ペダルーーーー!!!!って感じ。ずーっと音が響いていて地に足が着かない。浮いたまま何処かへ流されてしまいそう。このピアノの後ろで鳴ってる音が管楽器なのか何なのかよくわからないのも奇妙な浮遊感に拍車をかけてますよね。クラリネットっぽい音がするけどたぶん単体ではなくて他にも鳴ってる気がする。1'11〜音がぶつかって気持ち悪くていい。あと砂嵐のようなノイズがずっと鳴っていたり最後泡が弾けるような音が入っていたりちょっと不気味でもある。

久住は東日本大地震の被災者なのか?という憶測もあがった印象的なシーンの曲(その後「お前たちの物語にはならない」とバッサリ斬られ多くのオタクが撃沈した)
『頭の中の藻屑』台詞ドンピシャの曲名だと思うんですが、実はこの曲、すでに2話の加々見の車中独白シーンで使われてるんですよ。え、じゃあこのタイトル何?最終話のセリフだよ?ってなりますよね。たぶん元々は別の名前がついてて、vol.2で配信することが決まってから付け直したんじゃないかな〜と勝手に考えてます。こっちのシーンの方が印象強いもんね。もしそうなら元のタイトルが何だったのか気になるところではあります。


◇大切な時間だったなぁ

一番最初に聴いた時の自分の感想が面白いのでそのまま貼り付けます。

これもモロそのシーンですね。と言いつつ初登場は5話。温かくもちょっと切ないギター。ウィンドチャイムはずるいわ。エッヴァイオリン??!?!!アーアーアーとんでもないぞ。嘘チェロまで待ってこれは良曲。何何何何何何本編でここまで使ってないだろ???てか使わないのかよここを!!!!!!!!!!!ハァ〜???なんだこの曲。なんだこの曲。

動揺が凄い。いやでもこの曲本当にとんでもないもん隠し持ってて爆発しないのは無理。
最初はギターあったか〜い優し〜いみたいな気持ちになって、1'14〜のピアノとグロッケンで空に瞬く星たちを見てるような気持ちになるんですけど、1'41〜ヴァイオリンが入ってきて感情がア゚!!!!!!!!!!!ホットミルク美味しい〜と思ってたら急にアルコールになってんすよ。待て待て待て待て。ヴァイオリン様、ロングトーンと上の音への跳躍が美しくて惚れる。か!!ら!!の!!チェロ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッッッ
切なさでどうにかなりそう。この慈愛に満ちた音よ……チェロ持ってくんのは情緒を破壊しに来てるでしょ…………うぅ……
2'26、一緒にメロディやってるギターだけ装飾音ついてるのが好き。チェロ→ヴァイオリンへのバトンタッチも最高。ただの焼き増しじゃなく音形が少しずつ変わってるんですよね。核になるシーラーレーシラーに繋がるアウフタクトが、4分音符→8分音符→16分音符とどんどん圧縮されていくのも良い。はじめて聴いた時『帰ってこなかったらどうしよう』のサビの旋律来る?!と身構えた記憶があります。最初の部分が全く同じなんですよ〜とんだフェイントだぜ、、、、、伴奏のバスのpizzが大変goodです◎
こんなにドラマティックな部分が本編で使われなかったの惜しいなあとちょっと思ったりしました。


◇MIU404 comical ver.

武蔵野うどんのテーマだ!!!!!!
まごうことなきコミカル。聴いた瞬間から脱力。このゆる〜っとした感じが最高すぎる。コッ コッて入ってくるパーカッション好き。オリジナルのイーリアンパイプスメロディの部分がカットになって代わりにストリングスの刻みが入ってるのも良い。テンポが落ちてもメロディのヴァイオリンのキレが健在なの嬉しいな〜
このシーン、男6人が横並びになってうどん啜ってるのジワる。報告だけなのにわざわざ手土産持って来てくれる毛利向島バディ、すこ、、、、


◇超いい仕事じゃん

フィドル?!??!と思ったら突然の島感(※誤変換ではない)
三線みたいな音が聴こえる。これも本編では使われてないですね〜幻の日常回なら登場したかもしれない。温泉旅行に行く回とか……


◇MIU404 piano ver.

王道なピアノアレンジ。これはメインテーマだけど、主題歌がピアノアレンジになって作中で流れるやつはみんな好きですよね?
個人的にはこういうテンポ落としたしっとり系よりオリジナルのテンポそのままガンガンいくピアノアレンジ聴いてみたいのよな……疾走感全開のやつ……と思ってYouTubeを旅してたら見つかりました素敵なやつ。ピアノのセンスが欲しかった〜〜!!!!と思ふ。


◇過去の事件

来ましたよ成川のテーマが。
この曲はね〜曲全体の雰囲気が好きですね……水彩画のようというか、水の上に落としたいくつものインクの色がどこまでも広がって重なって混じり合うような、連綿とした感じ。
0'30〜の伴奏の伸ばし、コーラス入ってるように聴こえて気になる。人の声に聴こえませんか?メロディが同じ音形を3回繰り返すと見せかけて3回目の終わりから展開していくの好き。0'55〜ぎゅっと音の質が変わってビートも前に運ぶものに変化するの良い。このエフェクトかかった感じが何ともノスタルジック。ベースの音が太くなることで重心が下がって安定感が。
1'24〜26にかけての急激なクレッシェンド痺れる。さっきまでベースはエレキっぽかったのにサビ入ったらチェロっぽい音ですね……?1'45前後凄く好き!ポポポポポポポポみたいなやつが数珠のように繋がってるの良い。終わりに最初のメロディに戻ってくる構成、みんな大好きだよ。

勝手に成川のテーマと呼んでいたように、成川絡みのシーンで流れることが多いんですが一番印象的なのはやっぱり3話かな。襲われた真木カホリを助けるために追いかけっこをやめるところ。このシーン、ライティングもすっごく良いんですよ。夜の闇の中オレンジの光に照らされる伊吹。フリッカー出てるのがまた乙で、まるで火のそばにいるようにも見える。反射?で画面にオレンジの光が広がるのが2回ほどありそれもまた良くて。画のインパクトもあって非常に印象的。だからサントラvol.1で『どうする?逃げるか来るか』という曲名を見た時真っ先にこの曲だって思ったんですよ。いざ聴いたらホラー映画の曲だったのでずっこけてしまいました。お前かーい。
チャリで爆走する志摩がブチブチにキレててこっわ…………となるシーンでもありますね。


◇悔いても悔いても時間は戻らない

メンタル破壊神降臨。
タイトル厳しすぎん?キツいよ〜〜〜〜〜〜ア〜〜〜〜
MIUのサントラでは珍しく3拍子ですかね。イントロとか途中におや?となる部分はあるけどフェルマータとか拍子変わる小節が入ってるんじゃないかと思い〼。0'27〜のチェロの音下がるの好き。曲が進むにつれて、音のない時間が短くなっていくのが特徴的。平静を保とうとする心に波が立って、次第に抑え切れなくなっていくようなイメージ。うーんこれどう考えても志摩だな…………
1'14でCの音一本にまとまるのにハッとする。1'18〜ピアノも入ってメロディが動き出すんだけど何故こんなに悲しい音になるのか。全ての音が悲しい。大サビ?の前に休符があって無音になるのがたまらん〜!これゲネラルパウゼと書いてあってもおかしくなさそう。ちなみにゲネラルパウゼというのは「ちょっとでも音出したら殺すぞ」の意です。1'54〜バスのpizzハチャメチャ美味しいな??!!??!これを弾くために生まれたと言っても過言ではない。存在感パネェ……ウメェ…………
2'29〜2'39和声の移ろいが狂おしいほど好き。
やべえ〜〜〜〜〜〜天が才っちまってる……解決しそうな音で向かうのに解決させてくれない2'34マジやばいのよ。ベースの音、前の音聴いたらミ♭ソシ♭とかそういうのになりそうなところをそうは問屋が卸さぬのがこの曲。最初聴いた時は何か衝撃でしたね……この曲調でハッピー和声になるわけないんだけどオオオそう来る?!的な……
大サビ、6話のカットにもあるような雲の間からうっすら日の光が漏れるような僅かな明るさのようなものがあるのが逆に苦しい。決して苛立ちだけではなかったであろう、香坂と過ごしたもう戻らぬ日々への追憶。そんな感じの切ない響きですよね。
一番最後の音、アスファルトに横たわる香坂の体温に絶望した志摩を音で表現するとこうなるんだろうなという音がする。

この曲、志摩の「行かなかった」というセリフをきっかけに始まるわけだけど、伊吹の「あの夜、屋上行ったの」から「行かなかった」までの間、放送版が約4秒に対してディレクターズカット版は約23秒もある。気が触れる。こんなにヤバい溜め見たことねえ。
2話で志摩が犯人が「やっていない」と言うのは犯人自身がそう思いたいからだ、と言うけど、それはまさに彼自身がそうだからだと思うんですよ。「生きてる香坂に"最後に"会ったのはいつ?」という問いに2つの場面をあげるの、いつもの志摩ならあり得ない答え方で。彼はあの時声をかけた、誘いに応じて屋上に行ったと思いたかった。本当は違うとわかっていても、口に出して認めるのはどうしようもなく痛いことだから。そうして現実と願望の狭間をふらついていた志摩が、伊吹を前にして現実という地獄に目を合わせるまでの葛藤を表現したのがあの23秒間というわけです。エグいくらい上手い。
そして間(ま)という表現方法の選択を可能にした役者星野源の力量。音楽の助けもなしに表情と仕草だけで間に意味を持たせるの凄まじくないですか?(途中ちょこっと伊吹のカットも入るけども)
あれだけ息を詰めてセリフを待つことそうそうないよ。そして絞り出すように吐かれた「行かなかった」
あの泣き出す寸前みたいな声音さぁ〜〜〜〜〜〜志摩ぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!星野ォ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッッッッッッ
無理オブ無理。その後の志摩の独白と『悔いても悔いても時間は戻らない』の組み合わせがクソしんどいのは言うまでもないことですね。地面に落ちるランプ→パチンコ玉→横たわる香坂の重ね方オーバーキルがすぎる。
ここからの「タコ?」からの『MIU404』がまたすごいんだよなぁ〜〜〜このあたりの緩急というかスピード感大好き。
さんざん志摩志摩言いましたがこの曲、青池に心臓マッサージする伊吹のシーンと麗子さんが車に轢かれるシーンでも使われてます(鬼)



◇俺は凄いことに気づいた

曲順〜〜〜〜!!!!『悔いても悔いても時間は戻らない』からのこれ、この世イチ正しいんだよな…………圧倒的救済……

まずこの希望しか予感させないイントロ。メロディはピアノっぽい音の後ろにチェロっぽい音も聴こえる。0'24で立体的というか奥行きが出るのが好き。まるでドローンで撮影しているようなスケール感。街が小さくなり日本が小さくなり、地球越しに顔を出す太陽を衛生軌道上から眺めている───みたいなイメージすら湧く(ポエム) 電子のベースとドォ…ンっていうやつがいいよね……!!メロディは安定のチェロ様。伸びやかで美しい。
1'01〜テンテテンテテテテンテテンテテテってやつ好き。1'05〜のチェロ、曲が展開するのにその前より音域下がってるの面白い。この辺のヴァイオリンの伴奏、米津さんの『orion』のAメロの感じと少し似てる気がする。煌めき要素。あとスネア入ってくるのいいよね〜〜〜
それでね、この曲の一番好きなところが1'21〜なんですけれども。これまで何度か使おうとして自重してきた表現をついに使いますね。あまりのエモさに漏らしそう。こんなの……こんなのやばいでしょ……1'25〜の和声…………1'21〜から数えてチェロの伸ばしの3つ目に鳴る音、メチャクチャたまらない気持ちになりませんか?ぐーーーーーっと来ません???私は漏らしそうです(二度言うな) ここ、メロディのチェロは2つ目と3つ目で同じ音が続くのに対して、ベースは3つ目で半音上がるんですよ。それがもうとんでもなくエモ。エモのカンスト。この込み上げてくるものの熱さ、完全に6話とリンクしてる。ヴァイオリンの細かいやつの展開の仕方もまたエモ。意識してヴァイオリンだけ抽出するとヤヴァイ。「エモい」という表現、流行りすぎて逆に陳腐になる気がしてしばらく控えてたんですが、これこそが「エモい」と言うべきものだと思いました。って書いたところで『志摩一未』の感想でもエモい言ってたことを思い出しました。てへ……
1'37〜、大サビの前にイントロのメロディ持ってくんのすこ!!1'45〜ついにヴァイオリンへバトンタッチ。この部分から全体の拍感がMIUサントラではお馴染みの3+3+2ですね〜
ホルン(かな?)のオブリガード的なの良い。2'33〜音高いね、笑 2'45〜高揚が抑えられない!という感じの8分音符で高まって終わるのgood〜

こんなに光に溢れた曲って作れるんやな?!??!!第2の『伊吹藍』と呼んでも差し支えないほどの伊吹力。果てのない空。なんだか少し『空飛ぶ広報室』の雰囲気にも似ていて泣きそうな自分がいる。過去は空に溶ける……ウッ
志摩がスイッチを見ないふりをしたことも香坂が命を落としたことも変えようのない過去だけど、あの夜香坂がどう生きたのか知ったことで志摩の未来は変わった。次にできる瘡蓋を、彼はもう剥がさないでいられると思う。
この曲に勝手に副題をつけるとするならば「志摩の中の澱を少しだけすくい上げた伊吹の手の生命線の長さ」です(?)



以上で〜す!何か……相変わらず偏りのある感想ですね……あはは…………
前回の感想記事、いろんな方から反応をいただけて破茶滅茶に嬉しかったです。vol.1の残りの感想も読みたい、vol.2でも是非、なんて言葉もいただいてしまって。"狂い"の引力って存在するんだなあと思いつつ今回の記事をまとめました。
そうそう、前回のセルフ〆切の理由となったシナリオブックの野木さん得田さん対談ですが、まーーーーー凄い情報量でウハウハというやつになりましたね。それのみならず女傑の鼎談でも美味しい話が飛び出して最高でした。最初はその感想も書こうかなと思っていたのですが、とんでもない量になりそうなのでひとまず見送ることに。こういう話は永遠に聴いていたい……


最後に。本編に登場した劇伴はvol.1とvol.2で全部リリースされましたね〜!(祝)
vol.1に収録されてない曲が使われていたシーンをリストアップしていたんですが、それは全部vol.2の曲が使われてました。このピースが全てはまった感じ、最高です。ドラマの劇伴って大人の都合なのかなんなのか未収録の曲が永遠の放置プレイを食らうことがままあるので、MIUは全部出してくれて本当に優しい、、、、感謝、、


ではまた、この言葉で締めたいと思います。


ありがとうMIU404。BIG LOVE…………